おじいちゃんの記憶を巡る旅
どうも、おにくちゃんです。
雰囲気って大切ですよね。アニメや漫画、映画のようなメディア作品において、雰囲気・世界観はとても重要な要素になってきます。漫画やアニメであれば画風が大きなポイントになりますし、シリアスな映画だと暗めの印象を持たすことで、視聴者に重たい雰囲気を感じさせることができます。
それはゲームにも言えることで、良い雰囲気や綺麗な世界観を持ったゲームだと、自分がゲームの中に入ってしまうような感覚に浸れます。そんな雰囲気・世界観が抜群に出来上がっているゲームがリリースされました。
それがこの『おじいちゃんの記憶を巡る旅』です。
※この記事に掲載されているアプリは記事を書いた時点での価格・情報となります。場合によっては価格が変動・ストアから削除されている可能性がありますのでApp Store、Google playでお確かめください。
ゲーム概要
『おじいちゃんの記憶を巡る旅』はパズルアドベンチャーゲームです。
見ての通り、淡い色使いと、建物や人物などが手描きで丁寧に描かれているのが印象的なビジュアルをしています。個人的にはかなり期待していたゲームの一つで、ようやく日本のApp Storeでもリリースされることになりました。
遊び方
ストーリーは一枚の手紙から始まります。
と、言ってもテキストやセリフによるストーリー展開があるわけではありません。文字があると、どうしてもストーリーが揺るぎないものになってしまいますが、文字が無い分、ストーリーを頭の中で妄想していくことができます。「もしかしておじいさんってアレなのかな」「実は〇〇だったんじゃ」などと、勝手にストーリーを妄想する楽しみがあります。
手紙を読み終わったおじいさんは、旅することを決心します。
チュートリアルがあるわけではないので、最初は戸惑いそうなものですが、ポイント&クリック・アドベンチャーゲームのように、移動させたい場所をタップすることで、おじいさんが動いてくれます。おじいさんを移動させる以外にも、背景や物をタップすると、動きや音の演出を見ることができるので、様々なな場所をタップしてみましょう。
丘(山)と丘の接地面も移動ができます。
本来なら、この視点から見た丘だと、移動にそれなりの時間が掛かりそうなものですが、ゲームなので丘から丘に小ジャンプのような感じで移動することができます(そして、この丘の移動がこのゲームの肝に)。
ゲームの中間地点まで達すると、おじいさんの記憶を垣間見ることができます。
ユン・ピョウとサモ・ハンを従えて、これから海賊狩りに出かけ……じゃなくて、とあるパーティーで綺麗な女性と出会ったという記憶のシーンでしょうか。ショートムービーがあるわけではないですが、人物や背景がわずかに動いて、綺麗なシーンを演出してくれています。
そして、これから本番を迎えていきます。
まず、上の画像を見る限り、おじいさんの進む道がありません。おじいさんの進むべき方向は画面の上側です。この状態では、何をどうしても行ったり来たりを繰り返すだけです。
しかし、ここからがパズル要素です。
実はこの丘、動かせます。動かしたい丘をタップ(長押し)しながら上下に動かすことで、地面を動かすことができるんです。そして、動かした丘が奥や手前にある丘と繋がると、おじいさんの移動が可能になるというわけです。丘同士が繋がると、黄色いラインの上に接着点が表されます。
一つ注意点は、おじいさんが立っている地面は動かせないということです。
おじいさんが立っている地面を動かそうとすると、黄色い斜線が出て動きません。地面を動かしたい場合は、必ずおじいさんを別の丘に移動させてから動かす必要があります。この辺もパズル的な要素の一部で、おじいさんを上手く移動させておかないと、動かしたい地面が動かせないという場面が出てきます。
家の屋根もルートの一つです。
上の画像のような場合だと、繋げられる丘が無いので、詰んでしまったように見えますが、移動できるのは丘や山だけというわけではありません。
こうすることで、さらに上へと移動が可能になります。
パズルを解いておじいさんを進めるだけでなく、旅の途中では様々な出会いがあったり、情景を眺めることができます。パズルの途中であろうと、トラックに乗ったおじさんがそこらへんを走っていたり、家のドアをタップすると人々がお出迎えしてくれるなど、日常の中にパズルが組み込まれたような世界観があります。そこらへんも含めて、非常に作り込まれている印象を覚えました。
そしてまた、中間地点ではおじいさんの記憶を眺めることができます。
△あの車は確実にワー〇ンだな…
このゲームの主人公はおじいさんです。もちろん、おじいさんの移動は徒歩で、ダブルタップをしようと走ることはできません。まぁ、急におじいさんが走り出したら、雰囲気ぶち壊しですが笑。
しかし、私はおじいさんの意外な一面を見てしまいました。
意外とアグレッシブ!
そう、おじいさんは川(滝)を豪快に滑り落ちるんです。これが自ら落ちて川を下っているのか、プレイヤーが「ここに移動しろ!」と指示しているから、しょうがなく川を下っているのかはわかりませんが、おじいさんもやる時はやる男だということがわかりました。さすが海の男。
しかし、この川も行く手を阻む時があります。
上のような画像の状態だと、どうしても川から落ちてしまい、進みたい方向に進むことができません。海の男でも、激流の川には勝てなかったようです。
そんな時は知恵を使って進みましょう。
画面上部に丸い回転レバーがあるのが分かると思います。実はこれを回すと、川に橋を架けることができるんです。丘や山を動かしておじいさんを進めるだけでなく、こういったギミックも使いながらパズルを解いていく楽しさもあります。これなら誰でも激流の川を渡ることができますね。
他にも、船を自ら動かして乗船するギミックも。
△船をタップしたまま動かすと、自由に移動させられる
△着船
「おじいさん船舶免許持ってるの!」と思いましたが、彼は海の男でした、すいません。
そしてストーリーは、幸せな記憶と共に進むと思いきや…
まとめ
世界観・パズル共に素晴らしい作品です。期待感が強かっただけに、”逆に期待感を超えられない”なんてこともありがちですが、しっかりと期待以上の内容が詰まっていました。世界観の構築やイラストの鮮やかさはもちろん、難易度が簡単めではありますが、パズルゲームとしてありそうで無かった斬新なスタイルが印象的です。
それと、セリフなどのストーリー展開が無いというのも、妄想好きには堪らない作品となっています。ちょっとしたおじいさんの表情や音楽から、頭の中で妄想が広がっていきます。雰囲気だけでは終わらない楽しさが詰まっているパズルアドベンチャーゲームです!